納期遅延ゼロへ!AIプロンプト20でプロジェクトのタスクを完璧に分解

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はじめに

「プロジェクトがなかなか前に進まない」「気づけば納期ギリギリで焦ってしまう」

そんな瞬間、誰しも一度は経験があるのではないでしょうか。

実はプロジェクトの成否を左右するのは、必ずしも能力の高さではありません。

むしろ “タスクをどこまで細かく分解できているか” が大きく影響します。

大きな岩も、小さく砕けば簡単に運べる──そんなイメージに近いですね。

ここで頼りになるのが、思考整理を得意とするAIの力です。

AIという頼もしいアシスタントと一緒に、プロジェクト管理の新しい扉を開いてみましょう。


目次

1. タスク分解を加速させるプロンプト20選

ここからは、コピペでそのまま使える20個のプロンプトをご紹介します。

プロジェクトのフェーズごとに、全体像の整理から時間の見積もり、リスク管理まで、実務に直結するものだけを厳選しました。


1-1. 全体像の把握・構造化

まずは、大きなプロジェクトを “噛み砕ける大きさ” に分解していく段階です。

AIに構造化を任せることで、抜け漏れのない全体図が描けるようになります。


No.1 WBS(作業分解構成図)の自動生成

目的: プロジェクト全体を階層構造で整理し、やるべきことを一覧化する。

1. ロール設定
あなたはベテランのプロジェクトマネージャーです。

2. 指示内容
以下の[プロジェクト概要]に基づき、必要なタスクを漏れなく洗い出し、3階層(大項目・中項目・小項目)のWBS(作業分解図)を作成してください。

3. 入力内容の例
[プロジェクト概要]: 社内向けの新勤怠管理システムの導入。期間は3ヶ月。ベンダー選定から運用開始までを行う。

No.2 曖昧タスクの具体化(サラミ法)

目的: 「検討する」などの曖昧なタスクを、誰が見ても実行できるレベルまで具体化する。

1. ロール設定
あなたは業務改善コンサルタントです。

2. 指示内容
ToDoリストにある[曖昧なタスク]を実行可能なレベルまで細分化してください。
「誰が・何を・どうする」が明確になるよう、アクションプラン形式で5つ書き出してください。

3. 入力内容の例
[曖昧なタスク]: クライアントへの提案資料を作成する。

No.3 マイルストーンの設定

目的: プロジェクトの節目を設定し、進捗の遅れを早期に発見できるようにする。

1. ロール設定
あなたは進捗管理のスペシャリストです。

2. 指示内容
[プロジェクト期間]の中で、絶対に外せない重要な節目(マイルストーン)を4つ設定してください。
各マイルストーンで達成しておくべき状態(成果物)も定義してください。

3. 入力内容の例
[プロジェクト期間]: 4月1日から6月30日までのオウンドメディア立ち上げプロジェクト。

No.4 優先順位の「アイゼンハワー分析」

目的: タスクの重要度と緊急度を整理し、今どれに着手すべきかを明確にする。

1. ロール設定
あなたはタイムマネジメントのコーチです。

2. 指示内容
以下の[タスクリスト]を、「重要かつ緊急」「重要だが緊急でない」「緊急だが重要でない」「どちらでもない」の4象限に分類し、着手すべき優先順位を提案してください。

3. 入力内容の例
[タスクリスト]: 議事録作成、来期の予算案作成、突然の電話対応、メール返信、チームメンバーとの1on1。

No.5 5W1Hによる解像度アップ

目的: タスクの定義を明確にし、着手時の迷いをなくす。

1. ロール設定
あなたは論理的思考のインストラクターです。

2. 指示内容
以下の[タスク]について、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)のフレームワークを使って詳細を定義してください。
特に「なぜ(目的)」を重視してください。

3. 入力内容の例
[タスク]: 来月の社内イベントの会場を手配する。

1-2. スケジュール・見積もり

タスクが見えてきたら、続いて「時間」と「順序」の要素を組み込みます。

ここでは見積もりの甘さを防ぎ、現実的なプランを作るためのプロンプトをまとめています。


No.6 3点見積もり法による工数算出

目的: 楽観値・悲観値を踏まえ、実態に近い所要時間を算出する。

1. ロール設定
あなたは慎重なプランナーです。

2. 指示内容
以下の[タスク]にかかる時間を、「最良の場合(楽観値)」「最悪の場合(悲観値)」「最もあり得る場合(最頻値)」の3パターンで見積もってください。
また、それらを考慮した現実的な確保時間を提示してください。

3. 入力内容の例
[タスク]: 競合他社5社のリサーチレポート(A4で10枚程度)を作成する。

No.7 前後関係(依存関係)の整理

目的: 「Aが終わらないとBができない」という順番を見える化し、手戻りを防ぐ。

1. ロール設定
あなたはロジカルな工程管理者です。

2. 指示内容
リストアップされた以下の[タスク群]について、論理的に正しい実行順序に並べ替えてください。
また、先行タスクが完了しないと着手できない「依存関係」がある箇所を指摘してください。

3. 入力内容の例
[タスク群]: 招待状発送、会場予約、参加者リスト作成、当日のプログラム決定、予算承認。

No.8 ボトルネックの予測

目的: スケジュール遅延の原因になりやすい箇所を事前に把握する。

1. ロール設定
あなたはリスク予測の専門家です。

2. 指示内容
この[スケジュール案]の中で、最も時間がかかりそうな工程や、遅延が発生しやすい「ボトルネック」となりうるタスクを指摘し、その理由と対策を教えてください。

3. 入力内容の例
[スケジュール案]: 1週間でアンケート設計、配布、100人の回答回収、集計、レポート作成を行う。

No.9 バッファ(予備時間)の設定

目的: 想定外の事態に備えて、適切な余裕を計画に持たせる。

1. ロール設定
あなたは余裕を持った計画を重視するマネージャーです。

2. 指示内容
[プロジェクトの総工数]に対して、プロジェクトの難易度や不確実性を考慮し、適切と思われる「バッファ(予備日)」を何日確保すべきか提案してください。
その根拠も併せて教えてください。

3. 入力内容の例
[プロジェクトの総工数]: 新規事業の企画立案。実作業ベースで20日間と見積もっている。

No.10 クリティカルパスの特定

目的: 全体納期を左右する “最重要ルート” を把握する。

1. ロール設定
あなたはプロジェクト管理ツールのAIアシスタントです。

2. 指示内容
以下の[タスクと所要時間]の関係から、このプロジェクトの「クリティカルパス(遅れると全体が遅れる一連のタスク)」を特定してください。

3. 入力内容の例
[タスクと所要時間]: A:設計(3日)、B:開発(5日)、C:デザイン(4日)。BとCはAの後に並行して実施。D:統合テスト(2日)はBとCの両方完了後に実施。

1-3. 品質管理・リスク対策

「作ったけれど使えない」「思っていた仕上がりと違った」

そんな事態を避けるために、品質とリスクの観点からタスクを磨き上げるフェーズです。


No.11 完了の定義(Definition of Done)

目的: 「どこまでやれば終わりなのか」を明確にし、過剰品質ややり直しを防ぐ。

1. ロール設定
あなたは品質保証(QA)マネージャーです。

2. 指示内容
以下の[タスク]について、完了とみなすための具体的な基準(Definition of Done)を3つ定義してください。
定量的かつ客観的に判断できる基準にしてください。

3. 入力内容の例
[タスク]: 新入社員向けの研修資料(スライド)を作成する。

No.12 プレモータム(死亡前死因分析)

目的: 「このプロジェクトは失敗した」と仮定し、そこから原因を逆算して対策を打つ。

1. ロール設定
あなたは失敗学の専門家です。

2. 指示内容
「この[プロジェクト]は半年後に大失敗に終わりました」。
その原因として考えられるシナリオを3つ挙げ、それぞれの原因を今から潰すための予防タスクを作成してください。

3. 入力内容の例
[プロジェクト]: 既存顧客向けのメールマガジン配信を再開し、開封率を20%にする。

No.13 チェックリストの作成

目的: ヒューマンエラーを防ぐための確認項目を自動生成する。

1. ロール設定
あなたは緻密な性格の事務局長です。

2. 指示内容
[タスク]を完了して提出する直前に確認すべき、ミス防止用の「最終チェックリスト」を10項目作成してください。

3. 入力内容の例
[タスク]: クライアントへの請求書発行と送付手続き。

No.14 プランB(代替案)の準備

目的: 最善策が崩れたときでも慌てずに次の一手を打てるようにする。

1. ロール設定
あなたは危機管理広報のアドバイザーです。

2. 指示内容
[重要なタスク]において、想定外のトラブルで実行不可能になった場合に備え、最低限のゴールを達成するための「プランB(代替案)」を提案してください。

3. 入力内容の例
[重要なタスク]: 屋外での新商品発表イベントの開催(雨天のリスクあり)。

No.15 ステークホルダー分析

目的: 関係者を洗い出し、誰にどのような根回しが必要かをタスク化する。

1. ロール設定
あなたは政治力のあるプロジェクトリーダーです。

2. 指示内容
この[プロジェクト]に関わる主要な関係者(ステークホルダー)を洗い出し、それぞれの「関心度」と「影響力」を推測してください。
また、彼らを味方につけるためのコミュニケーションタスクを提案してください。

3. 入力内容の例
[プロジェクト]: 営業部のフリーアドレス化(席固定廃止)プロジェクト。

1-4. チーム連携・振り返り

最後は、チームで動く際のタスク整理です。

自分だけでなく、周囲の力をどう引き出すか──そのための言葉をAIに作ってもらうフェーズです。


No.16 タスクの割り振り(デリゲーション)

目的: メンバーの強みを踏まえ、気持ちよく動いてもらえる依頼文を作る。

1. ロール設定
あなたはリーダーシップのあるマネージャーです。

2. 指示内容
[メンバーの特徴]を考慮し、[タスク]を任せるための依頼メッセージを作成してください。
相手のモチベーションが高まるような伝え方を意識してください。

3. 入力内容の例
[メンバーの特徴]: 入社2年目。慎重だが、正確な作業が得意。自信がなさそう。
[タスク]: 過去3年分の売上データの集計。

No.17 進捗報告のフォーマット作成

目的: 短時間で要点が伝わる報告フォーマットをつくり、上司の信頼を得る。

1. ロール設定
あなたはプレゼンテーションのプロです。

2. 指示内容
上司に[プロジェクトの状況]を報告するための、1分で読めるテキストチャット用の報告フォーマットを作成してください。
「実績」「課題」「次のアクション」を含めてください。

3. 入力内容の例
[プロジェクトの状況]: 順調に進んでいるが、一部のデザイン確認でクライアントの返答待ちが発生中。

No.18 会議アジェンダの最適化

目的: だらだらした会議をなくし、決定事項が生まれる productive な場にする。

1. ロール設定
あなたはファシリテーターです。

2. 指示内容
[会議の目的]を達成するために必要なアジェンダ(議題)と、各パートの時間配分を作成してください。
会議の最後には「ネクストアクション」を決める時間を設けてください。

3. 入力内容の例
[会議の目的]: プロジェクトの中間振り返りと、後半のスケジュール修正。時間は60分。

No.19 KPT法による振り返り

目的: 完了したタスクから学びを得て、次回の改善につなげる。

1. ロール設定
あなたはアジャイルコーチです。

2. 指示内容
今週の[活動内容]を振り返り、KPT法(Keep:良かったこと、Problem:悪かったこと、Try:次はどうするか)の形式で整理してください。

3. 入力内容の例
[活動内容]: 毎日朝会を実施したが、マンネリ化して発言が少なかった。タスクの消化率は90%。

No.20 チームのモチベーション向上

目的: タスク完了の喜びをチームで共有し、士気を高める。

1. ロール設定
あなたはチアリーダーのような性格の広報担当です。

2. 指示内容
困難だった[タスク]を完了したチームメンバーに向けて、労いと称賛のメッセージを作成してください。
具体的な貢献に言及し、次のステップへ背中を押す内容にしてください。

3. 入力内容の例
[タスク]: バグが多く難航していたシステムのリリースが無事完了した。

2. 複数プロンプトの複合利用の方法

プロンプトは1つずつでも十分に強力ですが、組み合わせることで “プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)” がすぐ隣にいるような環境をつくれます。

ここでは、情報を連鎖させて成果を最大化する方法をお伝えします。


2-1. 複合利用の基本原則

前の出力を次の入力として活用する

AIとの対話は「文脈のバトンタッチ」が鍵です。

たとえば「WBS生成」で出たタスク一覧をコピーし、そのまま次の「リスク分析」に貼り付ける。

このように情報をつなぐことで、矛盾のない一貫した計画が生まれます。


体系的なフローの構築方法

  • 「分解(No.1–5)」
    → 「見積もり(No.6–10)」
    → 「品質・リスク(No.11–15)」
    → 「共有(No.16–20)」

この順番を意識してみてください。

いきなりスケジュールを作るのではなく、まずはタスクを洗い出す。

順序を守るだけで、計画の精度は驚くほど高まります。


2-2. 初心者向けの複合利用の具体例

では、実際の業務フローを想定した具体的な連携パターンを見ていきましょう。


例1: ざっくりした指示を、確実な実行計画に変える

活用プロンプト:No.1(WBS作成) → No.6(3点見積もり)

  • No.1を実行
    「Webサイトのリニューアル」などの概要を入力し、タスク一覧(WBS)を出力させる。
  • 出力の一部を選択
    洗い出されたタスクの中で、特に工数が読みにくい「デザイン作成」などをコピー。
  • No.6を実行
    コピーしたタスクを入力し、楽観値・悲観値の両面から見積もりを取得。

タスクの漏れを防ぎながら、根拠のあるスケジューリングが可能になります。


例2: トラブルを未然に防ぎ、品質を担保する

活用プロンプト:No.8(ボトルネック予測) → No.11(完了の定義)

  • No.8を実行
    作成したスケジュール案を入力し、遅れそうな箇所(例:上司の承認フロー)を特定。
  • 出力の一部を選択
    指摘されたリスク要因をコピー。
  • No.11を実行
    承認をスムーズに通すために必要な「資料の完成レベル(Definition of Done)」を定義。

進行を止める壁を先回りで把握し、手戻りのない品質基準が作れます。


例3: 忙しいチームに、的確にタスクを振る

活用プロンプト:No.4(アイゼンハワー分析) → No.16(デリゲーション)

  • No.4を実行
    タスクを入力し、優先順位を仕分け。「緊急だが重要でない」タスク(=他人に任せるべきタスク)を特定。
  • 出力の一部を選択
    任せるべきタスクとその内容をコピー。
  • No.16を実行
    任せたいメンバーの特徴を添え、モチベーションが上がる依頼文を作成。

自分の時間を確保しつつ、メンバーも気持ちよく動ける体制が整います。


まとめ

プロジェクト管理の本質は、見えない不安を 「見えるタスク」 に変えていくことです。

AIプロンプトを活用すれば、複雑なプロジェクトでも恐れる必要はありません。

まずは 「No.2 曖昧タスクの具体化」 だけでも試してみてください。

驚くほど頭がスッキリし、最初の一歩が軽く感じられるはずです。

明日からの仕事が、“追われるもの” から “コントロールできるもの” へ変わっていく感覚を、ぜひ体験してみてください。

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この記事を書いた人

個人事業主や企業担当者、フリーランスなど、すべての働く人に「AIを使いこなす力」を身につけるためのアドバイスをしています。

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