【サポート品質向上】AIプロンプト20で実現する「自己解決率90%」のFAQを自動生成

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はじめに

「毎日、同じような問い合わせ対応に追われてしまって、本来やるべき仕事に時間を使えない……」

そんな悩みを抱えているカスタマーサポート担当者は、きっと少なくないでしょう。

実は多くのユーザーが「できれば問い合わせずに自分で解決したい」と思っています。

その鍵を握るのが、網羅的でわかりやすいFAQです。

とはいえ、ゼロから構成を考えて、誰が読んでも理解できる文章を書くとなると、それなりに労力がかかりますよね。

そこで頼りになるのがAIです。

ログの分析から、親しみやすい回答文の作成まで、AIなら驚くほどスピーディにこなしてくれます。

AIという頼れるパートナーと一緒に、顧客満足度を高める新しいサポート体制を描いてみましょう。


目次

1. FAQ作成を加速させるプロンプト20選

ここからは、コピペしてすぐ使える20個のプロンプトを紹介します。

問い合わせ内容の分析から回答の草案づくり、さらにはわかりやすさの調整まで、プロセスごとに最適なものを揃えました。


1-1. 現状分析・構成案の作成

最初に取り組むべきは、ユーザーが「どこでつまずいているのか」を正確に把握することです。

AIに客観的な分析を任せると、本当に必要なFAQ項目が浮かび上がってきます。


No.1 問い合わせログの傾向分析

  • 目的:蓄積された問い合わせから、FAQ化すべき優先度の高いトピックを抽出する。
1. ロール設定
あなたはデータ分析に強いカスタマーサクセスマネージャーです。

2. 指示内容
以下の[問い合わせログ]を分析し、頻出する質問トップ3を特定してください。
また、それぞれの質問に対して「なぜユーザーがつまずいているのか」という根本原因と、FAQで解説すべきポイントを提案してください。

3. 入力内容の例
[問い合わせログ]: 
・ログインパスワードを忘れました。再発行メールが届きません。
・料金プランの変更方法がわかりません。アプリからはできないのですか?
・退会したいのですが、ボタンが見当たりません。

No.2 ターゲット(ペルソナ)の明確化

  • 目的:誰に向けた回答なのかを明確にし、言葉選びのブレをなくす。
1. ロール設定
あなたはユーザー心理に詳しいUXリサーチャーです。

2. 指示内容
[サービス概要]を利用している典型的なユーザー(ペルソナ)を定義してください。
そのユーザーがトラブルに直面した際、どのような感情(不安、怒り、焦りなど)を抱きやすく、どのようなトーンの文章を求めているか、具体的に描写してください。

3. 入力内容の例
[サービス概要]: スマホで確定申告ができる会計アプリ。主なユーザーは個人事業主やフリーランス。ITリテラシーはそれほど高くない層が多い。

No.3 質問カテゴリーの構造化

  • 目的:迷わずに目的の回答へ辿り着けるよう、カテゴリを整理する。
1. ロール設定
あなたは情報設計(IA)の専門家です。

2. 指示内容
現在バラバラに存在している以下の[質問リスト]を、ユーザーが直感的に探しやすいように3〜5つの大カテゴリーに分類してください。
各カテゴリーには簡潔でわかりやすいタイトルをつけてください。

3. 入力内容の例
[質問リスト]: ログインできない、領収書の撮影方法、クレカ変更、プラン解約、動作が重い、インボイス対応について、アプリが落ちる。

No.4 潜在的な「抜け漏れ」チェック

  • 目的:今は表に出ていないものの、今後増えそうな質問を予測して先回りする。
1. ロール設定
あなたはリスク管理に長けたプロジェクトマネージャーです。

2. 指示内容
近日リリース予定の[新機能]について、ユーザーから寄せられそうな質問を5つ予測してください。
特に、誤解されやすい点や、トラブルになりそうな仕様上の制限事項を中心にお願いします。

3. 入力内容の例
[新機能]: アプリ内でのポイント交換機能。ただし、ポイントの有効期限は獲得から6ヶ月で、一部の商品は在庫限りとなる。

No.5 検索キーワードの最適化

  • 目的:ユーザーが検索窓に入力しそうな言葉の“ゆらぎ”を洗い出す。
1. ロール設定
あなたはSEOスペシャリストです。

2. 指示内容
[特定の質問]を探しているユーザーが、検索窓に入力する可能性のあるキーワードを10個挙げてください。
正式名称だけでなく、言い間違いや略語、感覚的な表現(例:「動かない」「変な画面」)も含めてください。

3. 入力内容の例
[特定の質問]: クレジットカードの有効期限が切れた場合の更新手続きについて。

1-2. 回答のドラフト作成

構成が固まったら、いよいよ回答文の作成に進みます。

ここでは「正確さ」と「解決までのスピード」を重視したプロンプトを活用すると効果的です。


No.6 基本的なQ&Aテンプレート作成

  • 目的:結論から伝え、読みやすい標準フォーマットで回答を整える。
1. ロール設定
あなたは論理的な文章を書くテクニカルライターです。

2. 指示内容
以下の[質問と解決策]をもとに、FAQ用の回答原稿を作成してください。
構成は「結論(Yes/Noまたは解決策)」→「手順(ステップ)」→「注意点」の順にし、スマホでも読みやすいように適度に改行を入れてください。

3. 入力内容の例
[質問と解決策]: 質問「領収書の画像を削除したい」。解決策「詳細画面の右上にあるゴミ箱アイコンをタップする。ただし、一度削除すると復元できないので注意が必要」。

No.7 トラブルシューティングのフロー化

  • 目的:複数の原因が想定される問題を、順番に切り分けられるようにする。
1. ロール設定
あなたは熟練のヘルプデスク担当者です。

2. 指示内容
[トラブル内容]に対する解決手順を提示してください。
ユーザーが確認すべき順序(まずこれ→ダメならこれ)で書き、それぞれのステップで何を確認すべきか具体的に示してください。

3. 入力内容の例
[トラブル内容]: アプリからの通知が届かない。スマホの設定か、アプリの設定か、原因がわからない。

No.8 エラーメッセージの翻訳

  • 目的:難しいシステムのエラーメッセージを、誰でも理解できる言葉に変換する。
1. ロール設定
あなたは親切なITインストラクターです。

2. 指示内容
画面に表示される以下の[エラーメッセージ]が何を意味しているのか、専門用語を使わずに小学生でもわかるように解説してください。
また、その後にユーザーが取るべき具体的な行動も教えてください。

3. 入力内容の例
[エラーメッセージ]: 「503 Service Unavailable」「Connection Timed Out」

No.9 「できません」の丁寧な伝え方

  • 目的:機能不足や要望への“お断り”を、角を立てずに伝える。
1. ロール設定
あなたはホスピタリティ溢れるコンシェルジュです。

2. 指示内容
ユーザーからの[要望]に対して、現状では機能がなく対応できないことを伝えるFAQを作成してください。
謝罪だけで終わらせず、代替案や「今後の参考にする」という前向きなメッセージも添えて、ポジティブな印象で締めてください。

3. 入力内容の例
[要望]: パソコン版のソフトとデータをリアルタイムで同期したいが、現在は手動インポートしか対応していない。

No.10 手続き手順のステップ化

  • 目的:手続きを小さな作業として分解し、ハードルを下げる。
1. ロール設定
あなたは業務改善コンサルタントです。

2. 指示内容
以下の[手続き]を行うための手順を、番号付きリスト(1. 2. 3. ...)で作成してください。
各ステップは「〜をタップする」「〜を入力する」といった具体的な行動で記述し、迷わせないようにしてください。

3. 入力内容の例
[手続き]: 有料プランから無料プランへのダウングレード手続き。設定メニューから「アカウント情報」に進み、「プラン変更」を選ぶ必要がある。

1-3. わかりやすさ・ユーザビリティ向上

作った回答をさらに磨き上げるフェーズです。

専門用語をそぎ落とし、誰が読んでも一度で理解できるレベルへ仕上げます。


No.11 専門用語の「翻訳」と平易化

  • 目的:専門用語や社内用語を、初心者でも理解できる言葉に置き換える。
1. ロール設定
あなたは「分かりやすい日本語」の専門家である校正者です。

2. 指示内容
以下の[FAQ原稿]に含まれる専門用語やカタカナ語を、初心者にも伝わる平易な表現に書き換えてください。
必要に応じて()で補足説明も加えてください。

3. 入力内容の例
[FAQ原稿]: デバイスのキャッシュをクリアした後、再起動して認証トークンを更新してください。それでも改善しない場合は、プロキシ設定を確認してください。

No.12 「ひと目でわかる」タイトル作成

  • 目的:一覧で見たときに、内容が一瞬で伝わるタイトルをつくる。
1. ロール設定
あなたはキャッチコピーが得意なWebライターです。

2. 指示内容
以下の[回答内容]に対応するFAQのタイトル(質問文)を3案作成してください。
ユーザーが「これは自分のことだ」と直感できる、短くて具体的な表現にしてください。

3. 入力内容の例
[回答内容]: アプリのパスワードを忘れた場合、ログイン画面の「パスワードをお忘れの方」から再設定用のメールを送信できます。

No.13 視認性を高めるフォーマット調整

  • 目的:文章のかたまりをほぐし、スキャンして読める構造にする。
1. ロール設定
あなたはWebデザインに詳しい編集者です。

2. 指示内容
以下の[ベタ打ちの文章]を、Markdown記法で読みやすく整形してください。
重要なポイントは太字にし、箇条書きや改行を使って、ひと目で要点が伝わるようにしてください。

3. 入力内容の例
[ベタ打ちの文章]: 返品については商品到着後7日以内にご連絡ください。ただし開封済みの商品やお客様の都合による返品はお受けできません。送料はお客様負担となります。

No.14 トーン&マナーの統一

  • 目的:サービスの世界観に合う口調に整え、冷たさや馴れ馴れしさを調整する。
1. ロール設定
あなたはブランドマネージャーです。

2. 指示内容
以下の[既存のFAQ]の文体を、[指定のトーン]に合わせてリライトしてください。
内容は変えず、語尾や言葉の選び方だけを調整してブランドイメージを統一してください。

3. 入力内容の例
[既存のFAQ]: できません。仕様です。あきらめてください。
[指定のトーン]: ユーザーに寄り添う、親切で丁寧な「です・ます」調。

No.15 関連FAQへの誘導(リンク設計)

  • 目的:その質問だけでは解決しない場合に備えて、次の行動を提示する。
1. ロール設定
あなたはサイト回遊率を上げるWebマーケターです。

2. 指示内容
[現在の質問]を読んでいるユーザーが、次に抱きそうな疑問や、合わせて知っておくと便利な情報を予測して、「あわせて読みたいFAQ」として提示すべきトピックを3つ挙げてください。

3. 入力内容の例
[現在の質問]: 銀行口座の連携方法を知りたい。

1-4. 運用・改善・アップデート

FAQは作って終わりではありません。

公開後の反応を見ながら、常に最新で使いやすい状態に保つことが大切です。

ここではそのためのプロンプトを紹介します。


No.16 「役に立たなかった」への改善策

  • 目的:低評価の理由を推測し、改善につなげる。
1. ロール設定
あなたは問題解決が得意なカスタマーサポート責任者です。

2. 指示内容
[特定のFAQ]に対して「役に立たなかった」という評価が多くついています。
考えられる原因(説明不足、情報が古い、手順が複雑など)を推測し、改善のための修正案を作成してください。

3. 入力内容の例
[特定のFAQ]: Wi-Fiがつながらない場合の対処法(内容はルーターの再起動のみ記載)。

No.17 長文FAQの要約・分割

  • 目的:情報量が多すぎて読みにくいFAQを、コンパクトに整理する。
1. ロール設定
あなたは要約のプロフェッショナルです。

2. 指示内容
以下の[長文FAQ]は情報が詰め込みすぎて読みづらいです。
内容を「要約版」として3行でまとめるか、複数の質問に分割する提案をしてください。

3. 入力内容の例
[長文FAQ]: (会員ランクの仕組み、ポイント付与率、特典内容、ランクダウン条件などが1ページに全て書かれている文章)

No.18 新旧情報の整合性チェック

  • 目的:サービス変更による修正漏れを防ぐ。
1. ロール設定
あなたは緻密な性格のドキュメント管理者です。

2. 指示内容
今回、[仕様変更]が行われました。
この変更によって影響を受ける可能性のあるFAQのキーワードやカテゴリーをリストアップしてください。
修正箇所の当たりをつけるために使います。

3. 入力内容の例
[仕様変更]: 支払い方法に「PayPay」が追加され、これまでの「銀行振込」が廃止された。

No.19 チャットボット用への短文変換

  • 目的:Web用FAQをチャットボットの吹き出しに収まる長さへ調整する。
1. ロール設定
あなたは会話型AIのシナリオライターです。

2. 指示内容
以下の[Web用FAQ]の内容を、チャットボットでの会話に適した長さにリライトしてください。
1吹き出しあたり100文字以内で、簡潔に結論を伝えてください。

3. 入力内容の例
[Web用FAQ]: (解約手続きに関する詳細な説明文、約500文字)

No.20 月次レポートと改善提案

  • 目的:FAQ全体の健康状態を定期的に診断し、次のアクションを決める。
1. ロール設定
あなたは戦略的なCSプランナーです。

2. 指示内容
今月の[サポートデータ]に基づき、FAQの貢献度(自己解決率への寄与)を評価してください。
また、来月重点的に拡充または修正すべきカテゴリーを1つ提案し、その理由も述べてください。

3. 入力内容の例
[サポートデータ]: 全体問い合わせ数は横ばいだが、「ログイン」に関する問い合わせが前月比20%減。「インボイス」に関する質問が急増中。

2. 複数プロンプトの複合利用の方法

プロンプトは、単体で使ってももちろん便利ですが、実は“組み合わせる”ことで一気に力を発揮します。

まるでレゴブロックのように、ひとつの出力を次の入力につなげていくことで、分析から作成、改善までを一気通貫で回せるようになります。

ここでは、その考え方と具体的な活用例を整理していきます。


2-1. 複合利用の基本原則

前の出力を次の入力として活用する

AIとのやり取りは、いわば“リレー”です。

たとえば「No.1 傾向分析」で抽出した「頻出質問トップ3」。

これをコピーして、そのまま「No.6 テンプレート作成」に投入するだけで、文脈が自然につながり、ぐっと精度の高いFAQ原稿が生まれます。

この流れを意識すると、毎回説明をし直す必要がなくなり、作業スピードも安定感も大幅にアップします。


体系的なフローの構築方法

FAQ作成をスムーズに回すには、以下のループで考えるのが最もわかりやすいでしょう。

  1. 種まき(分析)
    No.1〜5を使い、「何を書くべきか」を洗い出す。
  2. 育成(作成)
    No.6〜10で実際の回答原案を形にしていく。
  3. 剪定(洗練)
    No.11〜15で読みやすさや伝わりやすさを調整する。
  4. 収穫(改善)
    No.16〜20で運用結果を見直し、改善サイクルを回す。

このように、一つひとつのプロンプトを“工程”として捉えることで、FAQの品質が自然と安定していきます。


2-2. 初心者向けの複合利用の具体例

では、実務ですぐに使える3つの組み合わせパターンをご紹介します。

「どう使いこなせばいいのか分からない」という方も、ここから始めるとスムーズに慣れていけるはずです。


例1: 問い合わせログから「鉄板FAQ」を爆速で作る

活用プロンプト:No.1(傾向分析) → No.6(テンプレート作成)

  • No.1を実行
    直近のチャットログをAIに読み込ませ、ユーザーがどこでつまずきやすいかを抽出する。
  • 出力の一部を選択
    たとえば「ログイン方法が分からない」という結果と、AIが示した解説ポイントをコピーする。
  • No.6を実行
    コピーした内容を貼り付け、標準フォーマットのFAQ回答として生成する。

勘や推測ではなく、データに基づく“本当に必要とされるFAQ”が、わずか数分で形になります。


例2: エンジニアが書いた難解なメモを、誰でも読める記事にする

活用プロンプト:No.11(専門用語翻訳) → No.13(フォーマット調整)

  • No.11を実行
    専門用語だらけの仕様書やメモを入力し、一般ユーザー向けにかみ砕いた文章へと変換する。
  • 出力の一部を選択
    読みやすく書き換えられた文章を丸ごとコピーする。
  • No.13を実行
    コピーした文章をもとに、太字や箇条書きを使って視認性を高めた形に整える。

専門知識がない担当者でも、ユーザーフレンドリーでやさしいヘルプ記事を作れるようになります。


例3: 「分かりにくい」という低評価を、信頼回復のチャンスに変える

活用プロンプト:No.16(改善策) → No.9(丁寧な伝え方)

  • No.16を実行
    低評価の多いFAQを入力し、どこが「役に立たなかった」のか(例:説明が冷たい/情報が古い)を分析してもらう。
  • 出力の一部を選択
    改善案として提示された「代替案の提示が必要」といったポイントを拾い上げる。
  • No.9を実行
    ネガティブな情報(「現状では対応できない」など)を代替案つきで丁寧な文章に書き換える。

不満が生まれたFAQも、誠実で前向きな文章に生まれ変わり、ユーザーの信頼回復につながります。


まとめ

「自己解決できるFAQ」は、ユーザーの時間を守るだけでなく、サポート担当者の負担を確実に減らします。

AIプロンプトを活用すれば、これまで数時間かかっていた作成・推敲作業が驚くほど短時間で終わるようになります。

まずは手元の原稿を、「No.11 専門用語の翻訳」や「No.12 タイトル作成」で軽く磨くところから始めてみてください。

小さな改善の積み重ねが、やがて“問い合わせゼロ”に近づく大きな成果につながっていきます。

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この記事を書いた人

個人事業主や企業担当者、フリーランスなど、すべての働く人に「AIを使いこなす力」を身につけるためのアドバイスをしています。

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