はじめに
「株主優待って得だよね!」
初心者が真っ先に飛びつくのがこの幻想だ。
牛丼がタダ、外食チェーンの食事券、テーマパークのチケット……。
たしかに聞こえはいい。
だが株主優待に釣られた瞬間、投資家ではなく“消費者”に成り下がる。
株主優待=お得感。
しかしお得感の正体は、企業が仕掛けたマーケティングの罠だ。
優待がある会社=いい会社、ではない。
優待目当てで株を買う=「金を生む資産」ではなく「オマケをもらうための買い物」。
目指してるのは何だ?“富裕層”だろ?
だったら目先の餌に釣られるな。企業の本質を見抜け。
1.株主優待の正体を知れ
まず、株主優待とは何か。
これは**企業が特定数以上の株を持っている株主に対して提供する「モノ」や「サービス」**のこと。
- クオカード、外食チェーンの割引券、自社製品、カタログギフトなど
- 年1回〜2回が多い
- 日本独自の文化。欧米にはほとんどない
世界的に見れば異常な制度だということをまず理解しろ。
企業の本来の目的は「利益を出すこと」であって、「商品を配ること」ではない。
株主優待はあくまで副産物。しかもそのコストは企業の利益を削っている。
2.なぜ初心者は優待に釣られるのか?
答えはシンプルだ。
「目に見える得」ほど、人は簡単に騙される。
- クーポン券、食事券、割引チケット=即効性のある“幸福感”
- 「優待生活できます!」と煽るメディア
- SNSでバズる「届きましたレポ」
さらに、有名な「桐谷さん」みたいな生活を見て憧れるやつも多い。
だが言っておく、あの生活は凡人には無理だ。
- 彼は元プロ棋士。金がある
- 株歴30年以上。経験と知識が桁違い
- 数百銘柄を保有。分散とリスク管理が徹底
つまり、桐谷さんは「優待を使いこなしている」だけであって、「優待のために株を買っている」わけじゃない。
真似して勝てるような簡単な話じゃない。
3.優待目的で株を買うと失敗する理由
株主優待目当ての投資は、長期的な資産形成に不向き。その理由は明確だ。
- 優待の価値=限定的(現金じゃない、換金しづらい)
- 使わない優待=完全に無駄
- 売却タイミングが優待基準日に縛られる
- 配当や値上がり益が軽視されがち
- 経営が悪化したら優待なんて真っ先にカットされる
つまり、優待目的で株を持つのは、**「自分の資金をロックして、使いもしないモノを受け取る罰ゲーム」**だ。
4.企業目線で考えろ
なんで企業がわざわざ送料かけて、商品や金券を送ってくるんだ?
タダで何かがもらえる時は、必ず誰かがコストを払ってる。
- 株価を安定させるために個人株主を囲い込んでる
- 配当を出せないから、モノでごまかしてる
- 優待のコストは利益を圧迫し、成長の足かせになる
つまり、優待が豪華な企業ほど“本業がしょぼい”可能性が高い。
「オマケ」でごまかす会社の未来に、資金を預ける価値はあるのか?
5.配当と優待、どっちを選ぶべきか?
答えは明確だ。現金(配当)>モノ(優待)。
- 配当=現金。再投資もできるし、生活にも使える
- 優待=物品。使い道が限定的で、資産にならない
- 配当は減配されても一部は残るが、優待は一瞬で廃止される
資産を増やすには、「金を生む株」に賭けろ。
優待では金は生まれない。
6.それでも優待を狙いたいなら
完全に否定はしない。
だが、ルールを守れ。
- 優待は「オマケ」として楽しめ
- 優待目的で株を選ぶな。業績・財務が第一
- 優待コストが利益を圧迫してないか必ず確認
- 長期的に見て成長できる企業か見極めろ
「欲に釣られる投資」は絶対に負ける。
「本質を見極めた上で戦略的に使う」ならOK。
7.本当に見るべき指標とは?
お前が見るべきは、以下の“数字”と“構造”だ。
- 企業の業績(売上・利益の伸び)
- 配当利回りと安定性(何年続いてるか)
- 株価の割安度(PER、PBR)
- 自己資本比率、営業キャッシュフロー
- 業界内での競争力
- 海外展開と成長市場との関係性
投資は、企業の“本業”に賭ける行為。
モノに釣られるな、数字を見ろ。
まとめ
株主優待に釣られているうちは、投資ではない。
ただの「得したいだけの買い物」だ。
それじゃ一生、資産は増えない。
- 株主優待=企業のパフォーマンスとは関係ない
- 配当=現金収入。再投資できる。資産が回り始める
- 「お得感」に釣られるな。「利益を生む構造」に目を向けろ
目先のオマケは捨てろ。長期のリターンを取りにいけ。
富裕層を目指すなら、目先の“夢”じゃなく、本物の“金脈”を掘り当てろ。