はじめに
「もっと気の利いたメールが書けたら、すぐに返信が来るのに……」。
そんなふうに思いながら、点滅するカーソルを前に手が止まってしまう――その時間を、そろそろ終わりにしてみませんか。
顧客の心を動かす文章は、ビジネスにおける強力な武器である一方で、多くの人が悩み続けるテーマでもあります。
けれど、AIを相棒にすればその悩みは「壁」ではなく「戦略」に変わります。
定型文では出せない、相手の心にスッと入り込む言葉を、必要なタイミングで自然に生み出せるようになるからです。
- 開封率・返信率を劇的に高める件名と本文の作成
- 謝罪・交渉といった心理負担の大きいメールの自動化
- 相手の属性や状況に合わせたパーソナライズ対応
この記事を読み終える頃には、あなたの手元に“最強のセールスライティング・チーム”が控えているような感覚になるはずです。
さあ、言葉の力を武器に、ビジネスを加速させていきましょう。
1. 営業メール・顧客対応文を加速させるプロンプト20選
ここからは、コピペしてすぐ使える20個のプロンプトを紹介します。
営業活動のフェーズごとに、相手の反応を引き出しやすい言葉を生成できるよう厳選しました。
1-1. 新規開拓・アプローチ

まずは顧客との最初の接点づくり。
ここで大事なのは、「開封させること」と「自分ごととして読んでもらうこと」。
そのためのプロンプトをまとめました。
No.1 高開封率を狙う件名生成
- 目的:受信トレイで埋もれず、ついクリックしたくなる件名をつくる。
1. ロール設定
あなたはコピーライティングに精通したマーケターです。
2. 指示内容
以下の[メール本文の要旨]に基づき、開封率を最大化するための件名案を10個作成してください。
「緊急性」「メリットの提示」「疑問形」など、異なる心理テクニックを用いてください。
3. 入力内容の例
[メール本文の要旨]: 採用コストを30%削減できる新ツールの無料トライアル案内
No.2 AIDAの法則に基づくアポイント依頼
- 目的:心理変容モデル(Attention / Interest / Desire / Action)に沿って、自然な流れでアポイントに誘導する。
1. ロール設定
あなたはトップセールスマンです。
2. 指示内容
以下の[サービス]を[ターゲット]に提案するための、初回アプローチメールを作成してください。
AIDAの法則(注目→興味→欲求→行動)の構成を守り、最後にカジュアルな面談を打診してください。
3. 入力内容の例
[サービス]: AIによる契約書レビュー自動化システム
[ターゲット]: 法務担当者が1名のスタートアップ企業
No.3 ニュースを絡めたパーソナライズ
- 目的:「あなたにだから送った」という特別感を生み、テンプレ感を払拭する。
1. ロール設定
あなたはリサーチ能力に長けた営業担当です。
2. 指示内容
[ターゲット企業]の[最近のニュース]をフックにして、自社の[サービス]がどのように貢献できるかを提案するメールの導入部分を作成してください。
祝福や共感の言葉を含めてください。
3. 入力内容の例
[ターゲット企業]: 株式会社〇〇
[最近のニュース]: シリーズBの資金調達実施と海外展開の発表
[サービス]: 海外市場調査・翻訳サービス
No.4 決裁者へのトップアプローチ
- 目的:多忙な経営層に、短い時間でメリットを伝え、興味を持ってもらう。
1. ロール設定
あなたはエグゼクティブ向けのコンサルタントです。
2. 指示内容
多忙な[役職]に対して、[課題]を解決するための提案メールを作成してください。
スマホの1画面で読める長さに収め、結論ファーストで「得られる利益」を強調してください。
3. 入力内容の例
[役職]: 製造業の社長
[課題]: 原材料高騰による利益率の低下
No.5 展示会・セミナー後のお礼と追客
- 目的:接点を持った直後の“温度感”が高いタイミングで、自然に次のステップへつなげる。
1. ロール設定
あなたは顧客関係管理(CRM)の専門家です。
2. 指示内容
[イベント名]で名刺交換をした相手に対し、当日のお礼と、会話内容を踏まえた資料送付のメールを作成してください。
売り込み色を抑え、役立つ情報提供者としての立ち位置を確立してください。
3. 入力内容の例
[イベント名]: DX推進エキスポ
[会話内容]: 経費精算のアナログ管理に困っているという話
1-2. 提案・交渉・クロージング

顧客の興味が高まったあとは、信頼関係を積み重ねながら成約へ進むフェーズです。
論理と感情の両面に丁寧に寄り添った文章が求められます。
No.6 課題解決型(Solution)提案メール
- 目的:顧客の悩みに寄り添い、自社サービスが“唯一の解決策”だと示す。
1. ロール設定
あなたは論理的なソリューション営業のプロです。
2. 指示内容
[顧客の悩み]に対して、自社商品の[強み]がいかに有効かを説明するメール文面を作成してください。
「Before(現状)」「After(導入後の未来)」を対比させ、導入効果をイメージさせてください。
3. 入力内容の例
[顧客の悩み]: 顧客問い合わせの対応漏れが多発している
[強み]: チケット管理機能とアラート機能による漏れ防止
No.7 価格交渉への切り返し
- 目的:「高い」と言われても安易に値引きせず、価値を再確認させる。
1. ロール設定
あなたは交渉術のスペシャリストです。
2. 指示内容
見積もり提示後、「予算オーバーだ」と言われた際の返信メールを作成してください。
単なる値引きではなく、[価格の根拠]や長期的なROI(投資対効果)を伝え、価値を再定義してください。
3. 入力内容の例
[価格の根拠]: 専任サポート担当がつき、導入後の定着まで伴走するため
No.8 競合他社との比較説明
- 目的:競合と迷っている顧客に、自社の優位性をスマートに伝える。
1. ロール設定
あなたは公平な視点を持つアドバイザーです。
2. 指示内容
顧客から[競合A社]と比較検討していると言われました。
他社を批判することなく、自社の[差別化ポイント]を際立たせ、自社を選ぶべき理由を伝えるメールを作成してください。
3. 入力内容の例
[競合A社]: 大手で機能は多いが高額
[差別化ポイント]: シンプルな操作性と、業界特化の独自データベース
No.9 検討状況の伺い(停滞打破)
- 目的:返信が止まった相手に対し、角を立てずに状況を確認し、再検討を促す。
1. ロール設定
あなたは配慮のできるビジネスパートナーです。
2. 指示内容
提案後、2週間連絡がない顧客に対し、検討状況を伺うメールを作成してください。
「催促」ではなく「懸念点の払拭」や「新しい情報の提供」というスタンスでアプローチしてください。
3. 入力内容の例
[前回の提案]: オフィスの移転プロジェクト
[追加情報]: 希望エリアで新しい空き物件が出た情報
No.10 契約直前の最後の一押し
- 目的:迷いが残っている顧客の背中を、丁寧かつ自然に押す。
1. ロール設定
あなたは信頼できるクロージングの達人です。
2. 指示内容
導入を迷っている顧客に対し、今決断することのメリット(機会損失の回避など)を伝えるメールを作成してください。
不安に寄り添いつつ、[期限や特典]を提示して行動を促してください。
3. 入力内容の例
[期限や特典]: 今月中の申し込みで初期費用無料キャンペーン適用
1-3. トラブル対応・カスタマーサポート

ここは、もっとも神経を使う領域です。
ですが、丁寧で誠実な対応ができれば、むしろファンづくりのチャンスにもなります。
No.11 誠意ある謝罪メール
- 目的:ミスが起きた際、信頼回復を最優先に誠実な姿勢を示す。
1. ロール設定
あなたは危機管理広報のプロフェッショナルです。
2. 指示内容
こちらの不手際で[トラブル内容]が発生した際の、顧客へのお詫びメールを作成してください。
言い訳をせず、事実確認・原因・今後の[対策]を明確に伝え、誠意を示してください。
3. 入力内容の例
[トラブル内容]: システム障害で2時間サービスが利用できなかった
[対策]: サーバーの増強と監視体制の強化
No.12 要望・依頼の丁寧な断り方
- 目的:無理な要求に対しても、関係を損なわずにお断りする。
1. ロール設定
あなたは外交的なコミュニケーションの達人です。
2. 指示内容
顧客からの[無理な要望]に対し、丁重にお断りするメールを作成してください。
Noと伝えるだけでなく、代替案の提示や将来的な可能性に触れることで、ポジティブな印象を残してください。
3. 入力内容の例
[無理な要望]: 基本プランの範囲外である機能の無償カスタマイズ
No.13 クレームへの一次対応(ガス抜き)
- 目的:感情が高ぶっている相手を落ち着かせ、まずは話を聞く姿勢を示す。
1. ロール設定
あなたは熟練のカスタマーサクセス担当です。
2. 指示内容
顧客から[クレーム内容]について、怒りのメールが届きました。
まずは相手の感情を受け止め、不快な思いをさせたことを詫びつつ、詳細を確認するための返信文を作成してください。
3. 入力内容の例
[クレーム内容]: 接客態度が悪かったという指摘
No.14 納期遅延の報告と調整
- 目的:悪いニュースを誠実に伝え、影響を最小限に抑える調整を行う。
1. ロール設定
あなたは責任感のあるプロジェクトマネージャーです。
2. 指示内容
進行中のプロジェクトで[遅延理由]により納期が遅れることを報告するメールを作成してください。
現状を正確に伝え、リカバリー策と新しいスケジュールを提示して承諾を得てください。
3. 入力内容の例
[遅延理由]: 一部部材の配送遅れ
No.15 サービス終了・解約時の案内
- 目的:円満な関係のまま終了し、未来の再利用につながる余白を残す。
1. ロール設定
あなたはブランドイメージを大切にする広報担当です。
2. 指示内容
顧客から[解約理由]によるサービス解約の申し出がありました。
これまでの利用への感謝を伝え、スムーズに解約手続きを案内しつつ、またいつでも戻ってこられるような温かい返信を作成してください。
3. 入力内容の例
[解約理由]: 事業縮小に伴うコスト削減
1-4. 仕上げ・ブラッシュアップ

ここからは、作成したドラフトを「プロ品質」に磨き上げるフェーズです。
AIは編集者としても非常に優秀なので、積極的に活かしてみてください。
No.16 誤解を招かないトーン&マナー調整
- 目的:相手との関係性に適した敬語レベルへ整える。
1. ロール設定
あなたはビジネスマナー講師です。
2. 指示内容
以下の[メール原案]を、[送信相手]に送るのにふさわしいトーンにリライトしてください。
失礼がないよう丁寧に、かつ堅苦しすぎない「親しみのある敬語」を目指してください。
3. 入力内容の例
[メール原案]: (AIで作ったラフな文章)
[送信相手]: 長年付き合いのある取引先の部長
No.17 冗長な文章の要約・スリム化
- 目的:スマホで読まれることを前提に、不要な回りくどさを取り除き読みやすくする。
1. ロール設定
あなたは敏腕編集者です。
2. 指示内容
以下の[メール本文]の内容を変えずに、文字数を約半分に要約してください。
回りくどい表現を削除し、一文を短くして、リズムよく読めるように整えてください。
3. 入力内容の例
[メール本文]: (長くなってしまった文章)
No.18 感情リスクのチェック(炎上防止)
- 目的:意図せず相手を不快にさせる表現がないかを事前に洗い出す。
1. ロール設定
あなたは心理カウンセラーです。
2. 指示内容
以下の[メール文面]を読み、受け手が「冷たい」「上から目線だ」「責められている」と感じる可能性のある箇所を指摘してください。
また、より共感的な表現への修正案を出してください。
3. 入力内容の例
[メール文面]: (送信前のドラフト)
No.19 英語メールへの変換(ネイティブ表現)
- 目的:単なる直訳ではなく、英語圏のビジネス慣習に沿った自然な表現へ。
1. ロール設定
あなたは外資系企業のネイティブ秘書です。
2. 指示内容
以下の[日本語メール]を、ビジネス英語に翻訳してください。
直訳ではなく、英語圏のビジネス慣習に合った、洗練されたフレーズを用いてください。
3. 入力内容の例
[日本語メール]: (会議の日程調整依頼など)
No.20 ネクストアクションの明確化
- 目的:相手が「次に何をすればいいか」を迷わないように締めくくる。
1. ロール設定
あなたはファシリテーションのプロです。
2. 指示内容
以下の[メール本文]の最後に、相手に期待するアクション(返信が欲しい、リンクを見てほしい、日程を選んでほしい等)を明確かつ丁寧に促す「結びの言葉」を3パターン作成してください。
3. 入力内容の例
[メール本文]: (提案内容の概要)
2. 複数プロンプトの複合利用の方法
単体のプロンプトでも十分強力ですが、いくつかを組み合わせることで、まるで「最強の秘書」がそばにいるような使い方が可能になります。
ここでは、情報をバトンのようにつないでいく「プロンプト・チェーン」の考え方をご紹介します。
2-1. 複合利用の基本原則
前の出力を次の入力として活用する
AIをうまく使うコツは、いきなり完璧を狙わないことです。
まずは最初のプロンプトで「大まかな素材」をつくり、次のプロンプトでそれを「磨き上げる」。
いわば“わらしべ長者”的な発想で、段階的に質を高めていきます。
体系的なフローの構築方法
メール作成の流れは、「情報整理」→「骨子作成」→「執筆」→「推敲」と段階を踏むことが大切です。
いきなり本文を書かせると焦点がぼやけてしまいがちなので、まずは構成やターゲット分析から入ると、芯のあるメールが仕上がります。
2-2. 初心者向けの複合利用・具体例
ここからは、前章のプロンプトを実際に組み合わせて使う際の、わかりやすい流れを紹介します。
例1:ターゲット分析から“刺さる”アプローチ文を作る
活用プロンプト:No.3(ニュース活用) → No.2(AIDAアポ)
- No.3の実行
ターゲット企業の最新ニュースを基に、導入のフックとなる文章をAIに生成させる。 - 良い部分を選ぶ
生成された中から、もっとも自然で相手の興味を引く導入文を抜き出す。 - No.2の実行
選んだ導入文を No.2 の入力欄に組み込み、全体の構成をAIDAで組み立てる。
最新情報を踏まえた、説得力のある流れでアポイントにつなげる “完成度の高い営業メール” ができあがります。
例2:断りづらい価格交渉メールをやわらかく仕上げる
活用プロンプト:No.7(価格交渉) → No.18(感情チェック)
- No.7の実行
ROIを根拠にした、筋の通った反論メールを生成させる。 - 全文をコピー
作成された内容をそのまま選び取る。 - No.18の実行
コピ―した文章を入力し、「強すぎる印象」や「冷たさ」がないかチェック・修正させる。
論理性はそのままに、相手の感情に配慮した “人間味ある交渉メール” に調整できます。
例3:クレーム対応を抜け漏れなく、完璧な返信に仕上げる
活用プロンプト:No.13(クレーム一次対応) → No.11(謝罪メール)
- No.13の実行
相手の感情を落ち着かせるための一次返信を作り、ヒアリングすべき項目を整理する。 - 必要な事実を抜粋
整理された(と仮定した)ヒアリング内容から、原因・事実関係をまとめる。 - No.11の実行
整理した情報を入力し、正式な謝罪メールとして、原因・対策・再発防止策を明確にした文を作成する。
初動のスピードと、誠実な詳細報告の両方を満たすことで、クレームを信頼回復の機会に変えることができます。
まとめ
営業メールや顧客対応に “絶対の正解” はありません。
しかし、AIプロンプトをうまく取り入れることで、そのときの最適解に限りなく近づけることができます。
AIが論理構築と下書きを担当し、あなたがそこに温度感と人間らしさを加える。
この分業こそが、これからのビジネスパーソンに求められる新しいスタイルです。
まずは、明日送る一通のメールから試してみてください。
あなたの言葉が相手に届き、成果へとつながることを願っています。

